オカリナ豆知識
オカリナの歴史はかなり古く、19世紀後半に北イタリアのブードリオという所のドナーチという菓子職人が、それまであった土笛にはじめて西洋音階(ドレミファソラシ)を導入し、イタリア語でガチョウの子供を意味する「オカリーナ」と命名。
それ以前の土笛は、最も古くは原始メソポタミアにすでに現在のオカリナと似たものが発土していたり、日本でも弥生時代の地層からオカリナに似た楽器が出土している。
最初はただツボをならしたフルート的発声体(空のビンに唇を当てて上手に吹くと「ボー」と鳴る、あれ)だったのが、メソポタミアまでに鳩笛的発声体(小学校の縦笛のように、吹けば音が出る構造)に発展した。
南アメリカでも4穴式オカリーナが1000年以上の歴史をもっているらしい。
現在では上記のイタリア式だけではなく、メソポタミア式も南アメリカの4穴式から中国の土笛「けん」に至るまで、土笛全般がすべてオカリナと呼ばれている。
オカリナ一般に共通していることは閉管式ということ。
閉管のため倍音が出ず、下のラから上のファ、つまり「ラシドレミファソレシドレミファ」の1オクターブ半という小さな音域しか持っていないのが特徴。
この狭い音域でいかにダイナミックな演奏をするか・・・オカリナ奏者はいつもそれに頭を悩ませている。
特に7オクターブもの音域をいつも当たり前に使っているウィンドシンセ奏者にとって、この音域の狭さは致命的。
音の高さが足りなくなることなど、日常茶飯事なのだ。
またオカリナは他の楽器と違い、チューニング構造を持っていない。
その上気温や湿度などによって、音程へ影響を受けやすいため、すべてを演奏時の息づかいだけで調整しなくてはならない。
息を強めると音程が高くなり、弱めると低くなる。
つまり、トレモロをかけることによって同時にビブラートをかけることができるわけだ。
まさに息づかい8割・指使い2割という楽器。
手持ちのオカリナはアケタ製がほとんどを占めている。
アケタのオカリナは音が柔らかく、何より色が素晴らしい。
また、メンテナンスフリーなところも便利だ。