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NECの98ノート「NS/T」。
CPUに32bitのi386SLを搭載し、当時としては割安な価格設定のノートPCだった。
世の中は完全にWindows一色になった現在でも、施設によっては現役で動き続けていたりする。
もちろんその用途は「パソコン」ではなく、Windowsに移殖されなかった古いアプリケーションを動かす「専用機」としての色が強いが。
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例によって、98ノートでは代表的な故障である、「電源が入らない」というもの。
これは電源まわりの電解コンデンサの容量が低下することによって引き起こされる現象だ。
コンデンサにはアレニウスの法則というものがあり、どうしても避けられない故障である。
98ノートは、普通に使っていても(使っていなくても)ほぼ確実に電源が入らなくなってしまうようだ。
というわけで、16Vの10μFを用意する。
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まず第一バッテリーを外す。
これはボタンを押しながら引き抜けばよい。 |
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次に第二バッテリー。
2本のビスで固定されているので、ドライバーで外す。 |
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ビスを外すとバッテリーは簡単に外れる。 |
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HDDも抜いておく。 |
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拡張メモリー(EMS)カードも引き抜いておく。 |
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あまりの懐かしさに写真を撮ってしまった^^;
これ、当時はすごく高かったんですよね。 |
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分解を始めるので、まずは裏返しにする。 |
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全部で7カ所あるビスをすべて外す。 |
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上部カバーは内部のツメで固定されている。
手前側は、真ん中とその左右数センチのところ。
ここにマイナスドライバーを差し込んで少し浮かせる。 |
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同じように左右のツメあたりも浮かせておく。 |
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ツメを折らないように気をつけながら、マイナスドライバーを押し込み、ツメをPC内部側へ曲げる。 |
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そのままマイナスドライバーを回し、上部カバーを外す。 |
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横側のツメも同じようにして外していく。
ここまできたら後は簡単。 |
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上部カバーを慎重に持ち上げる。
このとき、キーボードの[F1]キー上辺りにコネクタとコードがあるので、これを引きちぎらないように注意する。 |
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これがそのコネクタ。
カバーを取る前にこれを抜いておく。 |
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上部カバーが取れた状態。
なんとなくPC-8201に似ているような・・。
マニアックな話ですいません。 |
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キーボードを外す。
右側にフラットケーブルがあるので、左側を持ってページをめくるように起こす。 |
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コネクタのストッパーを写真左側へスライドさせてから、フラットケーブルを引き抜く。 |
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キーボードを外した状態。 |
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マザーボードのど真ん中に鎮座しているのが、i386SLだ。
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HDD収納スペースやFDDを覆っているカバーも取り去らなくてはならないので、ここのビスも全て外していく。 |
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メモリバックアップ用のニッカド電池のコネクタを抜いておく。 |
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LCDなどのコネクタも抜いておかなければならない。 |
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同様に、その隣も。 |
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FDDのフラットケーブルは、キーボードのものと同じように、ストッパーを上にスライドさせて・・ |
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このように引き抜く。 |
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BEEP用の圧電ブザーのコネクタは小さいので、ラジオペンチなどで抜いておく。 |
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マザーボードだけになった状態。 |
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電源のコンデンサは、CPUの上、「MPC76」と書かれた白い石のすぐ手前。 |
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写真の真ん中にある、アルミ製の丸い物体が交換するコンデンサ。 |
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まずは半田ゴテでこれを外す。
どうせ使わないモノなので、ラジオペンチで思い切り引き抜いてもOK。 |
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これが純正のアルミコンデンサ。
100%ともいえる確率で電源が入らなくなってしまうので、耐熱策などは施されていないのだろう。 |
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コンデンサを取り払った状態。 |
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ここに新しいコンデンサを取り付ける。
極に気をつけることが大切だ。
写真左がマイナス極。 |
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取り付けた状態はこんな感じ。
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純正よりも背が高いので、上からHDD&FDDカバーを取り付けるときに干渉しないように気をつける。 |
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無事に起動完了。
98DOSでしか動かないアプリケーションが施設で必要とされる限り、そのアプリケーションを動かすためだけとはいえ、98ノートは今でも使い続けられている。
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